August 06, 2008

交際費をごまかしてもね・・・

資本金が1億円以下の中小企業では、交際費として支出した額の90%しか損金として認められません。また、事業年度ごとに400万円を超える交際費については全額が損金となりません。

イジワルー!って思うかもしれませんが、資本金が1億円超の大企業であれば交際費の全額が損金とならないので、中小企業はよっぽど恵まれています。まさに優遇されています。

さらに、「社外の人に対する接待時の一人あたり5000円以下の飲食費」については税法上の交際費としなくていい、という時限立法があります。こちらの場合、一定の要件を満たせば会議費と同じような扱いで全額が損金となります。

なんですが・・・、どうも『交際費』という言葉を使うと、皆いっせいに【悪】のレッテルを貼りますよね。あくまで、法人税が高くなるっ!という観点だと思うのですが。(それとも、何かやましいことでもあるのかしら・笑)

あらためて、交際費が計上されると法人税がどれだけ高くなるの?という点について考えてみようかと。前提として、中小企業で法人税率は30%(実効税率)ということにします。

この会社で、毎月20万円の交際費を使ったとします。そんなにコンスタントに使えるのかよっ?て感じですが、あくまで仮定のお話なので。かつ、交際費の額には、一人当たり5000円以下の飲食費は含めずに、20万円の全てが税法上の交際費に該当する、ということにします。

事業年度で考えると、1年間で240万円の交際費を使ったことになります。

年間の交際費の定額控除限度額は400万円なので、240万円の交際費の90%が損金として認められます。結果、損金として認められない金額は、240万円の10%となり24万円。この24万円が利益額に加算されて法人税の計算がなされるので、増えてしまう法人税額は実効税率を30%とすれば7.2万円になります。

7万円、高いと見ますか?この金額だけを「税金」というフィルターを通して見ると、高く感じるかも・・・しれないですけど。

「とにかく税金を支払いたくないっ!」と思っている人は、「イヤ!高い!払いたくない!」と感じるかもしれません。でもでも、その前に会社から出て行っている240万円というお金(費用)について考えてみてくださいよ。「7万円の税金はイヤだけど、240万円の交際費はいいのか?」ってこと、なんですけど。

240万円に対する7.2万円って3%なんですよ。なんと税率にして消費税以下。「交際費」と言うと、もっと税金を取られるイメージが絶対にありますよね。

「一人当たりの飲食金額を5000円以下に抑えるために、接待の途中でお店を替えました」という話があったとすれば、法人税の増加分に相当する金額が、2件目の店のお通し代で消えているんじゃなかろうか?というほどの金額・・・。

税金を払いたくない理由が、「会社にお金を残したいから」というものであれば、もっと別のアプローチがあるのでは?とも思います。

以上、交際費に該当する領収書(1人あたり5000円超の飲食をしたもの)にその参加人数が記載されてなかった場合に、「一人当たり5000円以下の飲食費」としちゃってもいいんじゃないの?と思ってしまう、自分を含めた関係者に対する戒めでした(汗)これでは節税ではなく脱税ですね。

やはり、後ろめたさが残るし気が引けるので、変に誤魔化さず、胸を張って交際費にしてしまいたいです。税金が増えてしまうとしても。
コメント一覧
1. Posted by ぼぶ   August 25, 2008 09:24
はじめまして。
私は昨年転職し、慣れない経理総務に
従事しておるものです。

こちらのサイトを参考にさせていただくことが
多々ございます。

今後ともよろしくお願いいたします。
2. Posted by サチ@経理担当   August 26, 2008 11:57
ぼぶさん、お越しいただきありがとうございます。

基本的には、納得行くまで調べた結果を、
メモとして書き残しているつもりなのですが。

過去に何度か勘違いをやらかしている(汗)ので、
鵜呑みにはなさいませぬよう・・・。
(最近、自分自身疑っている)
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たまたま、会社を設立するところから参加しました。これまでの経理実務のメモを、忘れないうちに(!)まとめていこうと思っています。

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